• Twitter
  • FaceBook
  • instagram
  • LINE

【愛犬・愛猫の「肥満」対策】減量のポイントは食事と運動!

こんにちは、レティシアンスタッフのTです。

今回のテーマは「犬・猫の肥満」についてです。

調査によると、都市部で飼われている犬・猫の30%近く が肥満傾向にあるようです。
ペットの肥満問題は、多くのオーナー様共通のお悩みだといえるかもしれません。
当店にも、日頃より「愛犬・愛猫が太っている(肥満気味)のが心配」というお電話でのご相談を数多くいただいております。

学生の頃に飼っていた私の犬も、一時期は肥満予備軍になったことがありました。

食欲旺盛で、好き嫌いはまったくなく、もらえるものはなんでも食べてしまう子でした。ごはんを与えると1分もしないうちにぺろりと完食。さらに常におやつまで欲しがります。
まったく知識のなかった当時の私は、(恥ずかしながら)その要望をすべて受け入れ甘やかし放題でした……。

 

ある日、動物病院の健康診断で体重測定をしたところ、過去最高の体重を叩き出してしまったのです!

獣医師様は、私の犬のどっしりとした体型を見つめながら「これ以上太ったら、ヘルニアなども発症してしまうし、肥満解消のためにも食事制限をしたほうが良いかも。」との注意喚起が……。
初めて焦りを覚えた私は、ようやくフードの見直しを行ったのです。

 

そんな苦い経験のある私から、今回のコラムでは「肥満」がどういったものであるか、適正体重に向けた減量計画についてなどをご紹介させていただきます。

愛犬・愛猫の「肥満」とは

肥満とは「体脂肪が過剰に蓄積した状態」のこと。具体的には以下の状態を指します。

 

・体脂肪率は35%以上
・体重は、犬は適正体重を15%以上超えた状態、猫は適正体重を20%以上超えた状態

 

肥満の状態は、見た目・触感からもチェックすることができます。

これは「ボディコンディションスコア(BCS)」といった肥満の評価法で、脂肪のつき具合を5段階で評価します(9段階で判断する場合もあります)。

理想体型とされる5段階中3の状態は、「肋骨を触ったときに余分な脂肪を感じず、肋骨が触れられる状態で、上から見たときに肋骨に腰のくびれが見られる」とされます。

ボディコンディションスコアについての詳細は、環境省発行の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~ 」をご参照ください。

また、単なる肥満かと思いきや、実は脂肪ではなく違う病気が隠れていた……というケースもありますので、ご心配な方は、愛犬・愛猫が適正な体格であるかどうか獣医師様にご相談してみることをおすすめします。

愛犬・愛猫の 肥満の原因は

肥満になってしまう主な原因は、ほとんどがこの2つです。

 

[1]オーナー様による食べ物の与えすぎ
[2]運動不足

 

シンプルにご説明すると、【摂取カロリー>消費カロリー】である状態です。

愛犬・愛猫がごはんやおやつを喜んで食べる姿に嬉しくなってしまって、ついたくさん与えたくなる気持ちはわかります。私もそうでした。

しかし、犬・猫は、自分では食事のコントロールができません。オーナー様が強い気持ちで、給与量や回数を管理することが重要です。肥満になりやすい品種もあるので、より一層注意が必要です。

肥満の健康リスクは

肥満体型になってしまうと、さまざまな病気のリスクが高まると考えられます。

 

・糖尿病(※特に猫)

・脂肪肝(※特に猫)

・急性膵炎(※特に犬)

・呼吸器への負担

・運動器疾患の悪化

・薬物動態への影響(※麻酔のリスク増)

・寿命の短縮

 

調査によると、肥満の罹患率は、犬・猫に関係なく「中高年以上のメス」 に多く見られますが、性別に関係なく避妊や去勢をすると太りやすくなるそうです。これは安静時の代謝率の低下、運動量の減少(散策行動や性行動)、食欲を抑えるホルモン(エストロゲン)の減少によるものと言われています。

このため、避妊や去勢後に、以前と同じような食事やおやつを与えてしまうと、どんどん太ってしまう危険性があるのです。

愛犬・愛猫の「減量計画」!

目標体重を設定しましょう

肥満になってしまった場合、まずは獣医師様と相談して適正体重を決めましょう。

目標体重ができたら、減量計画を実行していきます。

ただし、人間のダイエットと同様ですが、急激に体重を減らすことは、愛犬・愛猫にとって大きな負担になってしまいます。筋肉が落ちないように、脂肪を落とすことが重要です。

特に猫の場合は、長期絶食をすると別の病気を発症する危険も高まります。無理なダイエットは厳禁です。

 

基本は「食事の見直し」と「適度な運動」

まずは“食事の見直し”から行いましょう。満腹感を感じさせる高繊維食への切り替えや、猫であれば高タンパクかつ低炭水化物食がおすすめです。

同時に“適度な運動”も重要です。犬の場合、1回20~30分程度の散歩を1日に2回行うのが目安です(※犬種によるためあくまでも目安です)。
また、お散歩をしない猫の場合は、室内で運動する必要があります。キャットウォークやおもちゃで上下運動を行うのがおすすめです。

 

給与量について

フードの給与量の目安は、商品パッケージに記載されています。体重に合わせて目安が記載されていることが多いですが、このときの体重は、現体重ではなく「理想体重」で見るようにしましょう。

 

もし、理想体重の給与量が、現在の量よりも遥かに少なくなってしまった場合、最初は『もう終わり?足りないよ!』とおかわりを欲しがったりするでしょう。
空腹のため胃液を吐いてしまったりすることがあるかもしれません。

その場合は、1日の食事回数を増やし、空腹時間をなるべく短くするなど工夫しましょう。
また、早食いをしてしまう場合には、でこぼこの突起がついた早食い防止用のフードボウルを使用することも良いかもしれません。

 

また、「減量=給与量を減らす」と考えがちですが、「低カロリーフードへ切り替える」という方法もおすすめです。極端に給与量を減らさずに済むため、愛犬・愛猫もストレスが溜まりにくくなると思います。

また、肥満のレベルによっては、獣医師様より療法食を処方される場合もあります。その場合は、目標体重になるまで療法食に切り替えていきましょう。

 

減量速度の確認

少しずつ体重が落ちてきたら、今度は「減量速度」の確認を行いましょう。

体重減少率は、一定に保つようにし、犬の場合は、1週間に「0.5~2%」を維持、猫の場合は、1週間に「0.5~1%」を維持するようにしましょう。

繰り返しになりますが、急激な体重の変化は犬・猫にとって大きな負担です。減量計画の初期は、2~3週間に1回確認することをおすすめします。

今後も太らせないために

減量に成功しても、すぐにすべての制限を解除するとリバウンドをしてしまう可能性があります。
痩せるのは時間がかかりますが、太るのは一瞬です。人間のダイエットと一緒ですね。
リバウンドをしないためには、下記を意識し続けましょう。

 

・カロリーコントロールをする

・給与量をはかるように意識する

・給与時間を決め、なるべく置き餌をやめる

・おやつの与えすぎには注意する、または与えない

・欲しがる顔をされても甘やかさない(意識を遊びや別の方向に向ける)

・多頭飼育の場合は、ごはんの横取りを防ぐ工夫をする(お皿を分ける、ケージで個々に与えるなど)

 

まとめ

家族同然である愛犬・愛猫が、健康でいつまでも一緒にいるためには、肥満予防は重要です。

夢中になってフードを食べている姿も、コロコロむちむちと太っている姿も、どちらもとても可愛いものです。しかし、肥満はデメリットのほうが遥かに多いものです。体重管理は大変ですが、時には心を鬼にすることも大切です。

愛犬・愛猫の健康を守ってあげられるのは、オーナー様だけです。肥満が引き金となって、運動できなくなったり、病気で苦しんだりする姿は見たくないですよね。

給与量や運動量をあらためて確認し、愛犬・愛猫・オーナー様にとってより良い毎日になることを祈っています。

 

この記事をシェアする
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE