ペットオーナー様から当店にお寄せいただくお悩みの中で特に多いのが、「愛犬がドッグフードを食べない」というもの。愛犬の食欲不振や偏食にお困りのオーナー様が多くいらっしゃいます。そこで、愛犬の食いつきが悪いときの原因と対策をまとめてみました。
目次
体質や体調が原因の場合の対策
体質による食欲不振
消化機能が弱い愛犬の場合、ドッグフードの消化不良を起こしてしまい、あまり食が進まないということが考えられます。
このような場合の対策としては、できる限り消化機能に負担のかからないドッグフードを選んであげるのが良いでしょう。愛犬が消化しづらい原材料が多く使われたドッグフードは避け、消化にやさしい原材料が使われているドッグフードがおすすめです。
また、できる限りドッグフードを消化しやすいように、粒を水につけてふやかしてから与えるのも良いでしょう。
運動不足による食欲不振
愛犬が運動不足となっているために日中の消費カロリーが少なく、あまりおなかがすかないことから食欲不振になっていることが考えられます。
健全な食欲増進のためには、愛犬に毎日適度な運動をさせることが大切です。お散歩の距離を少し長くしたり、室内でおもちゃを使って遊んだり、愛犬が体を動かす機会を増やしてあげましょう。ケガや加齢によりあまりたくさんの運動ができない場合は、マッサージや屈伸を取り入れたり、こまめに休憩を挟んだりしながら、無理のない範囲で体を動かすようにしましょう。
しつけによる偏食
しつけがまだ十分にできていない子犬の場合は特に、食事よりも他のことに興味が向いてしまったり、食事の時間をしっかりと認識できていなかったりすることで、ドッグフードを食べないというケースがあります。
しつけのために食事の時間と場所を決め、できる限り毎日同じ時間、同じ場所にドッグフードを出してあげましょう。もし愛犬がドッグフードを食べなくても、15分~30分で片付けてしまうようにすると、愛犬が食事の時間をきちんと認識できるようになり、規則正しい食事の習慣づけにつながります。
加齢による食欲不振
愛犬がシニア期に入ると、自然と代謝が落ちて消費カロリーが減り、あまりおなかがすかないことから食欲不振になっていることが考えられます。
このような場合、無理にたくさんのドッグフードを食べさせる必要はないので、体重が減っておらず健康状態に問題がないようであれば、給与量を少し減らして問題ないでしょう。
また、シニア期に入るにつれて消化機能が低下することで、食欲不振になっていることも考えられます。
このような場合は、愛犬の消化機能に負担のかからないドッグフードを選びましょう。愛犬が消化しづらい原材料を避け、消化にやさしい原材料を選ぶことが大切です。
また、なるべく粒を咀嚼し消化しやすいように水につけてふやかしてから与えたり、水分量の多いウェットタイプのフードを取り入れたりするのもおすすめです。
ストレスによる食欲不振
環境の変化など、愛犬に何らかのストレスがかかることで食欲不振になっていることも考えられます。家の中の環境や家族、生活習慣などに何か変化があると、それが愛犬のストレスになってしまっている可能性があります。
まずは愛犬のストレスの原因を探り、できる限り原因を取り除いてあげるようにしましょう。
病気による食欲不振
急に体重が減ったり、元気がなくなったり、食欲不振以外にもいつもと様子が違うことがある場合は、何らかの病気にかかっている可能性があります。
このような場合は、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。
環境が原因の場合の対策
季節・気温による食欲不振
愛犬の食欲不振の原因の一つとして、季節の変化も挙げられます。特に夏場は、高温多湿によって愛犬の消化機能が低下し、食欲不振につながりやすいと考えられます。
夏の日中の高温多湿は、私たち人間と同じく愛犬にとっても負担となるので、直射日光を避けて適度に空調を使い、快適な生活空間を保ってあげるようにしましょう。
また、ドッグフードを水につけてふやかしてから与えると、消化がしやすく水分補給にもなるのでおすすめです。
食事環境による食欲不振
愛犬が食事をする環境が原因で、食欲不振が起きていることもあります。フードボウルの大きさや高さが体に合わないことでドッグフードが食べづらかったり、前かがみになって体が圧迫されたりしていないか、一度愛犬がドッグフードを食べる様子を確認してみましょう。
フードボウルには様々な大きさや高さ、形状のものがあるので、愛犬の体格や姿勢に合ったものを選び、愛犬がドッグフードを食べやすい環境を整えてあげましょう。
また、食事をする場所がいつもと違ったり、清潔な環境が保たれていなかったりすると、愛犬の食欲不振につながることも考えられます。
愛犬が食事をする場所やフードボウルはいつもきれいに保ち、落ち着いてドッグフードが食べられるようにしてあげましょう。
ドッグフードが原因の場合の対策
おやつの食べすぎによる偏食
愛犬についおやつを与えすぎてしまっていることが原因で、愛犬が偏食となってしまっていることが考えられます。おやつを食べすぎておなかがすいていなかったり、香りや味の強いおやつに慣れてしまってドッグフードを食べなくなってしまったり。
おやつの食べすぎによる偏食を防ぐためには、1日に与えるおやつの回数を減らしたり、おやつを小さく分けて1回に与える量を減らしたりしてみましょう。また、おやつもできる限り人工的な香料や調味料を使っていない、自然な香りや味のものを選ぶのがおすすめです。
味・香りの強いものの食べすぎによる偏食
愛犬にねだられるままに人間の食べ物を与えてしまい、愛犬の偏食につながるケースも考えられます。人間の食べ物はドッグフードに比べて味付けが濃いことが多いので、愛犬が人間の食べ物を分けてもらうことに慣れてしまうと、ドッグフードを食べなくなってしまうことがあります。
私たち人間と愛犬とでは、必要な栄養や食べて良いもの・悪いものが大きく異なるので、愛犬の健康のためにも人間の食べ物を与えることはできる限り控えましょう。
また、人工的な香料や調味料を使った香りや味の強いドッグフードに愛犬が慣れてしまっていると、自然な原材料を使ったドッグフードを食べないことがあります。
そのような場合は、ドッグフードを水につけてふやかし、香りを立てて与えるのも良いでしょう。ウェットタイプのドッグフードの場合は、少し温めると香りが立つのでおすすめです。
ドッグフードの頻繁な切り替えによる偏食
愛犬がドッグフードを食べないからといって、ドッグフードをあまりにも頻繁に切り替えてしまうと、愛犬の偏食を促してしまうことがあります。ドッグフードを食べないでいると、新しくもっと美味しいドッグフードがもらえると覚えてしまい、愛犬が目新しいドッグフードしか食べなくなってしまうのです。
愛犬の偏食を助長してしまわないためにも、一度ドッグフードを決めたら、一定期間はできる限り根気強く与え続けるようにしましょう。その際、ドッグフードを出しっぱなしにせず、愛犬が食べなくても15分~30分で一度片付けてしまうのがおすすめです。
ドッグフードの食べにくさによる食欲不振
口の小さい小型犬や子犬、噛む力の弱いシニア犬の場合、ドッグフードの粒が大きすぎて食べにくいことで、食欲不振が起きていることも考えられます。
このような場合の対策としては、愛犬の体に合わせた小さめの粒のドッグフードを選んだり、粒を小さく砕いて与えたりするのが良いでしょう。
新しいドッグフードへの警戒
新しいドッグフードを与える場合、慣れない香りや見た目のドッグフードを警戒していることが考えられます。
新しいドッグフードへ切り替える際は、元のドッグフードに少しだけ新しいドッグフードを混ぜたり、新しいドッグフードを細かく砕いて元のドッグフードにふりかけたりすることで、まずは香りに慣れさせるのがおすすめです。その後少しずつ新しいドッグフードの比率を増やし、数日間かけて切り替えるようにしましょう。
ドッグフードの劣化
愛犬は香りに敏感なので、ドッグフードが劣化していることを香りで察知し、食べようとしないことも考えられます。
ドッグフードの賞味期限や保存状態を確認し、品質が劣化していないかチェックしてみましょう。ドッグフードのパッケージに記載されている賞味期限は、未開封の状態での賞味期限です。開封してからどのくらいの期間が経っているかを確認し、劣化してしまっているようであれば、新しいものに取り替えるのが良いでしょう。
まとめ
ペットオーナー様のお悩みで特に多い愛犬の食欲不振や偏食も、原因はさまざま。まずは愛犬がドッグフードを食べない原因をよく見極めて、それに合った対策をお試しいただければと思います。