こんにちは、レティシアンスタッフのMです。
突然ですが、皆様は街中で白いハーネスやケープを付けて歩いている犬を見かけたことはありませんか?
このような装備をした犬は「補助犬」といいます。
目や耳、体の不自由な方をお手伝いする犬で、ペットではありません。
「名前だけは聞いたことがある」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、補助犬が実際どんなことをお手伝いしているのかなど、基礎的なことを中心にお話しさせていただきます。
まずは補助犬について知っていただくために、補助犬に関する法律から説明いたします。
目次
身体障害者補助犬法とは?
身体障害者補助犬法(補助犬法)は、『身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与すること』を目的に平成14年5月22日成立、10月1日に施行されました(※2022年7月時点)。
不特定多数の人が利用する「民間施設」「公共施設」「交通機関」で補助犬の同伴を拒んではならないとされています。
人が多くいるところに犬を連れて行って良いのか? と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、補助犬は一定の訓練基準により訓練され、国が指定する法人から認定を受けています。
社会のマナーを守ることができるので同伴が認められています。
また、補助犬使用者にも以下のようなことが義務付けられています。
・補助犬であるという表示を付けること
・健康管理に注意すること(予防接種、健診を受ける)
・シャンプーやブラッシングで犬の体を清潔に保つこと
・補助犬の行動管理に責任を持つこと
補助犬について
続いて、補助犬についてです。
補助犬は「アシスタントドッグ」「サービスドッグ」とも呼ばれており、盲導犬・聴導犬・介助犬の3種類に分かれています。
盲導犬
目の不自由な方が安全で快適に歩くためのお手伝いをする犬のことです。
盲導犬の主なお仕事は、道路の端に沿って一定の速度でまっすぐ歩きながら、角や段差・障害物を使用者に教えることです。
盲導犬は「目的地さえ教えればどこへでも連れて行ってくれる」とイメージされやすいのですが、そうではありません。
使用者が目的地までの道順を頭に描きながら、ハーネスから伝わる盲導犬の動きや周りの音、足元の変化などを頼りに周囲の状況を判断して、盲導犬に指示を出しています。
また、聴導犬や介助犬が付けるケープの色に決まりはありませんが、盲導犬が身に付けるハーネスの色は、道路交通法により「白または黄色」と決められています。
聴導犬
耳の不自由な方に音を知らせてくれる犬のことです。
タッチをするなど、様々な動作を使って使用者に音を知らせてくれます。
聴導犬は、携帯電話の着信音・警報器音・ドアのチャイム・目覚まし時計の音など、生活をしていくうえで必要なたくさんの音を覚え、離れた所で音がした場合でも使用者のところまで行ってそれを知らせ、音がしたところまで誘導してくれます。
赤ちゃんの泣き声なども知らせてくれるそうなので、とても頼りになりますね!
家の外では聴導犬が覚えた鈴などを持ち歩いて使用します。
この鈴を病院の窓口などに渡し、自分の順番になったときに鈴を鳴らしてもらい、その音を聞いた聴導犬が知らせてくれる、という流れになります。
音が聞こえないことからくる不安を軽減し、使用者の快適で安全な生活を支えることが聴導犬のお仕事です。
介助犬
手や足など、体が不自由な方の日常生活動作のお手伝いをする犬のことです。
介助犬は主に、8つの動作で使用者のお手伝いをします。
・落とした物を拾う
・指示した物を持ってくる
・緊急連絡手段の確保
・ドアの開閉
・衣服の脱衣補助
・車いすの牽引
・起立、歩行介助
・スイッチ操作
介助犬は、盲導犬や聴導犬と違い、使用者によって必要な動作が異なってきます。
そのため上記の8つの動作以外にも、使用者にあわせて必要な動作を増やしていくことが可能です。
街で補助犬に出会ったら
最後に、街で補助犬を見かけた場合の接し方についてお話しいたします。
たとえ補助犬が使用者の足の下に伏せてリラックスしているように見えたとしても、補助犬は休んでいるわけではありません。お仕事中です。
街で補助犬を見かけても、以下の点に注意してあたたかい目で見守ってあげることが大切です。
・声をかけない
・触らない
・目をあわせて気をひかせない
・食べ物を与えない
補助犬は人を好きになるように育てられているため、優しくされるとお仕事中であってもそちらが気になってしまいます。
補助犬がお仕事に集中できないと、使用者に危険が及ぶ可能性があります。
使用者を危険にさらされないためにも遠くから見守り、使用者になにか危険があれば補助犬ではなく、使用者に声をかけましょう。
まとめ
補助犬についてお話しさせていただきましたが、いかがでしたか?
その役割が法律で認められた現在でも、いまだに入店を拒否されてしまったり、苦情の対象になってしまったりすることがあります。
これは日本での補助犬の認知度が低いことが原因だそうです。
このコラムを通じて一人でも多くの方に補助犬のことを知っていただけたら幸いです。
今よりももっと補助犬という存在が普及し、人にも犬にも優しい世の中になってほしいと切に願っています。