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【猫の身体能力について】

2024.06.20

#猫#生態#雑学
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こんにちは。レティシアンスタッフのHです。

眠ることが大好きな猫は、1日のほとんどを寝て過ごすことが多いと思いますが、高い場所へジャンプしたり、カーテンに爪を引っかけてよじ登ったりと、たまに見せる身体能力の高さに驚かされることはありませんか?

今回はそんな驚くべき「猫の身体能力」について、いくつかご紹介していきます。

猫の身体能力【その1】ジャンプ力

ネコちゃんを飼われているオーナー様は、ネコちゃんが冷蔵庫の上やカーテンレールの上など、高い場所へ軽々とジャンプする場面を見かけたことがあると思います。

実は、猫は自分の身長の約5倍の高さまで跳べると言われています。自分の身長の約5倍というと、身長170㎝の人であれば8m以上もの高さまで跳べることになります。これはマンションの3階に相当する高さなので、猫のジャンプ力がどれほどすごいか分かりますね。

この驚異的な身体能力のカギとなるのが「後ろ足」です。猫は後ろ足が長く、体脂肪が少ないほどジャンプ力が大きくなると言われています。そこに体のしなやかさや関節のやわらかさといった要素が加わり、驚異的なジャンプ力が生み出されているそうです。猫の祖先はもともと森の中で狩りをしながら生活しており、木を登り降りすることや、木から木へ飛び移ることにより、強い後ろ足を手に入れたと言われています。

このため、足の力が強い猫が本気で走ると時速50㎞近いスピードを出すことができるのだそうです。猫の後ろ足を触ると嫌がるのは、そこが大切な箇所だと知っているからなのかもしれません。

猫の身体能力【その2】体のやわらかさ

猫という動物は狭い場所を好む習性があります。鍋やバケツなどの狭い容器に入っている状態を指す「猫鍋」という言葉もあるほどで、一見そんなところに入れないと思うような場所にも体を収めることができるのはよく知られていることかと思います。

また、猫は関節と関節の間の可動域がとても広いため、両脇を抱えて持ち上げると通常時の約2倍の長さになります。どんな小さな容器にも体を収めることができたり、体が驚くほど伸び縮みしたりする猫はまるで「液体」のようですよね。

そんな猫の体のやわらかさの秘密は骨格構造にあります。人間の体は約200本の骨で構成されていますが、猫は約240本と小さい体ながら多くの骨を持っています。「猫背」という呼び名のとおり、生まれつき背中が丸まっている動物ですが、猫が背骨をしなやかに動かすことができるのは、肋骨や腰椎の数が人間よりも多いからです。肋骨は人間より1本多く、左右それぞれで13本あり、腰椎は人間より2本も多いのです。また、体のやわらかさから、頭の大きさの隙間があればどんなに狭い場所でも通り抜けることができると言われており、それを可能にしているのが肩甲骨や鎖骨です。猫の肩甲骨は首の後ろあたりにあり、足の動きに付随し自由に動かすことができます。鎖骨は退化しとても小さく、どの骨ともつながっていないので柔軟に動かすことができます。

猫の身体能力【その3】平衡感覚

高い場所や狭い場所を歩くことが得意な猫の優れた平衡感覚は、「ひげ」によって保たれていることはご存じですか?ひげは「触毛」と呼ばれ、毛根部には神経が集中しています。猫のひげはレーダーのような働きをしており、少しの刺激や温度変化など敏感に感じ取ることができます。また、障害物との距離や周囲の状況の察知、狭い場所を通り抜けられるかの判断もひげで行っています。

このため猫がひげを失うと、さまざまな悪影響をおよぼす可能性があります。例えば、障害物との距離感が掴めずぶつかりやすくなったり、高い場所や狭い場所を歩けなくなったりするほか、暗闇の中をスムーズに動けなくなることがあるなど、猫のひげはその身体能力にかなり重要な役割を果たしているのです。とはいえ、猫のひげが抜け落ちることに関して、そのすべてが重大な問題というわけではありません。猫のひげは半年に1回の頻度で抜け、自然に生え変わるため、体調に変化がなければあまり心配する必要はありません。しかし、ひげが抜け落ちた後にいつもより元気がなかったり、食欲がなかったりする場合は、動物病院を受診することをおすすめします。猫のひげは病気を発見するのに重要な手がかりになるので、普段の生活の中でよく観察してあげましょう。

猫の身体能力【その4】鋭い嗅覚

ネコちゃんの目の前にフードを出すと、口に入れる前に入念にニオイを嗅ぐ姿を見たことはありませんか?これはフードが腐敗していないか安全確認をしていると言われています。猫の嗅覚は人間の約20万倍以上あると言われ、ものの安全性をニオイで判断しています。また、猫がニオイを嗅いだ後、口をポカンと開けて独特な表情を見せる「フレーメン反応」というものがあります。多くのオーナー様はきっとご覧になったことがあるでしょう。猫はフェロモンに反応して、前歯の裏にある鋤鼻器(じょびき)と言われる穴でニオイを調べようとして口が半開きになります。嗅いだことのないニオイや、そのニオイの度合いが強い場合は、それが安全なものなのかを分析するため、フレーメン反応が起こりやすいと言われています。

人間の体臭と猫のフェロモンは成分が似ており、汗をかきやすい足裏からはその成分が多く分泌されます。ネコちゃんはオーナー様のフェロモンで安心感を得るために、靴下のニオイを嗅ぐ行動をとるのだそうです。好奇心が強い猫ほど、ニオイをさらに詳しく分析するためにフレーメン反応が起きやすい傾向にあるそうです。

猫の身体能力【その5】視覚

猫の視力は、人間に例えると、0.1~0.2程度しかありません。全体的にもやがかかったような状態で、景色やものが見えていると考えられています。しかし、視覚だけでなく、音やニオイなども手がかりとして総合的に判断しているため、視力が悪いことで困ることはありません。

視力があまり良くない猫ですが、暗闇でものを見る力はとても優れています。暗闇でものを見る力には、目の奥にある「タペタム」という薄い膜が関係しています。目の中に入ってくる光をタペタムで増幅させることで、暗闇のわずかな光でも視覚の感度を上げ周囲の状況を見ることができます。また、暗い場所にいる猫の目が光って見えることがありますが、それはタペタムが反射板のような役割を持ち、入ってきた光を反射しているためです。

また、暗闇の中で猫の目が丸く光って見えるのは、光を目に取り入れるために瞳孔を最大限に開いているからだそうです。反対に猫の黒目が小さいときはリラックスしている状態です。感情によって黒目の大きさが変化するため、観察してみると面白そうですね。

余談ですが、猫は赤色を識別できないということをご存じでしょうか?目の網膜にあり、映像を神経信号に変換する視細胞の数や種類が猫と人間とでは異なるため、赤色が識別できないと言われています。ちなみに人間が赤色に見えているものは猫には緑色に見えているそうです。

まとめ

ここまで猫の身体能力についていくつかご紹介してきましたがいかがでしたか?このコラムを執筆しながら、私自身も知らないことを知ることができ、改めて猫の身体能力の高さに驚きました。

個人的には猫が靴下のニオイを嗅ぐ理由は安心感を得るためという話を知って、少しホッとしました。同じように安心されたオーナー様もいらっしゃるのではないのでしょうか。

また、黒目の大きさでネコちゃんの感情を読み取れると知って、実家に帰省した際は我が家の猫の黒目を観察してみようと思います。

このコラムが少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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