こんにちは、レティシアンスタッフのTです。
犬猫について「好きな部位は?」と質問すれば、必ず上位に入ってくるのが「肉球」です。私ももちろん肉球が大好きで、我が家の犬の肉球を触ることが一日の中でも最高の癒しの時間になっています。
肉球のあの触感とフォルムにはすっかり病みつきで、ずっと肉球を触っていて我が家の犬から「しつこい!」と何度も怒られるほどです(笑)
そんな肉球好きな私は、犬と一緒にフェレットも飼っているのですが、これまで猫は飼ったことがありません。先日、友人の家の猫と遊ぶ機会があったので、もちろん肉球に触らせてもらったのですが、犬やフェレットとはまた違った感触でちょっとした衝撃を受けました!
ネコちゃんのオーナー様には当然のことかと思いますが、なんと猫の肉球はとってもやわらかいのです!犬やフェレットとはまた全く異なる触感でした(※フェレットもやわらかめではあります)。
私にとってはとても興味深い発見でしたので、犬と猫の肉球の硬さの違いについて早速調べてみました。
目次
そもそも「肉球」とは?
まず、肉球という名前は正式名称ではありません。「蹠球(しょきゅう)」という名前が正式で、蹠球は場所によって名前が変わります。
前足:指球(それぞれの指についている肉球)、掌球(人間でいう掌部分の大きな肉球)、手根球(掌球より少し離れたところにある肉球)
後足:趾球(それぞれの指にある肉球)、足底球(人間でいう掌部分の大きな肉球)
また、病みつきになる肉球のぷにぷにの中身は、脂肪、そしてエラスチンと呼ばれる弾性繊維、さらにコラーゲンが網目状になっており、表面は厚い角質層で覆われています。周囲には汗腺が発達していて、肉球は ”犬猫が唯一汗をかける場所” でもあるそうです。だから、手を握るとじんわりと湿っているのですね。
肉球の役割について
そんな肉球には、たくさんの重要な役割がたくさんあります。
クッションになる
裸足で歩く犬猫にとって、肉球は歩行時や高いところから降りたときに足への衝撃を和らげてくれる働きをしています。猫のあのやわらかな肉球は、高いところから降りても衝撃を吸収してくれる役割があります。
足音を消す
狩りをしていた時代には、足音を消して獲物に近づく必要がありました。その役割を大いに果たしていたのが肉球です。肉球がなければ狩りは成功していなかったでしょう。
滑り止め
先述しましたが、犬や猫が唯一汗をかける場所が肉球です。肉球が適度に湿っていると滑り止めの効果があり、走ったり、足場が良くない場所でも踏ん張ったりしやすくなります。
また、犬の肉球は「靴のスパイクのような突起の集まりでできている」という特徴があります。雪の中でそりを引くワンちゃんたちの姿をテレビなどでご覧になったことがあるかと思いますが、雪道でも滑らずに走れるのはこのスパイクのような突起の集まりがあるからなのです。
地面の状態を把握する
肉球にはいろいろな神経が通っており、人間の指先と同じく、触覚・圧覚・温度感覚・痛覚が備わっているため、地面の状態や温度を感じ取ることができます。
このため強い日差しの中でのお散歩は、熱されたアスファルトを歩くワンちゃんにとってはかなりつらいものになってしまいます。地面の温度が上がりやすい夏場のお散歩は地面の温度を確認しながら調整しましょう。
顔のお手入れ(猫)
これは猫のみの役割ですが、きれい好きな生き物である猫は常に体中を舐めてグルーミングすることで清潔を保っています。しかし、顔は直接舐めることができないため、猫はまず肉球を舐めて湿らし、肉球をブラシ代わりにして顔を洗います。肉球をブラシ代わりに上手に使うことで顔の清潔を保っています。
触感の違い
私が一番知りたかったポイントである「犬と猫の肉球の触感の違い」ですが、それぞれの先祖が関係していると考えられています。
犬の肉球の触感について
犬の祖先は「オオカミ」です。オオカミは年中雪が降るような寒い場所で暮らしており、冷たい地面や雪が積もった場所でも走ることができます。先述のとおり、犬の肉球にはスパイクのような突起があり、滑りにくく冷えにくい構造であるため、表面はザラザラして硬めです。ただ、外に出歩いていない子犬や散歩をあまりしない室内犬は、比較的やわらかいことが多く、生活環境によって硬さは変わってきます。
たしかに我が家の犬の肉球も、お散歩デビュー前の子犬時代はピンク色でぷにぷにとした感触でしたが、その後は色は黒く、触感も硬くなってきていました。
※成犬でもピンクの肉球の子もいます。
猫の肉球の触感について
猫の祖先は「リビアヤマネコ」です。リビアヤマネコは中東の砂漠などに生息しており、犬の祖先であったオオカミとは反対に、暑い砂漠で暮らしていました。そのため冷たい地面や雪が積もった場所で走ったりする必要がなかったため、ザラザラした突起などは不要でした。
ただ、外で生活しているネコちゃんについては、突起はないものの、おうちで暮らしているネコちゃんよりは肉球が硬い傾向にあるようです。
ワンちゃんもネコちゃんも生活環境によって肉球の硬さが変わるとは驚きです。人間で言うと、「手をよく使う仕事をされている方は掌の皮膚が分厚くなる」という原理と同じなのかなとも思いました。
肉球の色や形について
肉球は硬さだけではなく、色や形にいくつも種類があるそうです。
また諸説はありますが、「肉球の色や形で性格がわかる」というちょっと興味深い情報も見つけました!
この情報が本当なのか調べてみると面白いかも…ということで、先日レティシアンをご利用いただいているオーナー様に、ペットの肉球についてのアンケート回答にご協力いただきました。
※犬:1,089件 猫:291件の情報が集まりました!ご協力いただきありがとうございました。
アンケート結果の発表をさせていただく前に、まずは「肉球の形」の分類について紹介します。 絵にしてみると、こんなに形が違うのかと驚いてしまいました!
※犬と猫は共通としました。
おにぎり型
ロケット型
三つ葉型
富士山型
米つぶ型
犬の肉球アンケート結果
ちなみに割合としてはこのような結果となりました。
集計したところワンちゃんは、おにぎり型の子が圧倒的に多いようです。
そして、肉球別の性格アンケートについては、以下のような結果となりました。
結果を見てみると、「甘えん坊・怖がり」が多いというのは、犬という生き物ならではの性格なのか、どの形でも共通のようでした。
しかし、米つぶ型では「怖がり」の割合が一番多かったり、富士山型では「ワイルド・大胆」な性格がほとんどいなかったりと、肉球の形によって多少なりとも違いが現れているように見受けられます。
猫の肉球アンケート結果
次にネコちゃんの肉球についても見てみましょう。
肉球の形については、ワンちゃんと比べるとバランスよく分かれてはいますが、ワンちゃんと同じくおにぎり型が多いようです。
続いてネコちゃんの肉球別の性格アンケートについてです。
ネコちゃんに関しても「甘えん坊・マイペース・怖がり」が多いといった点は共通でしたが、ワンちゃんよりも肉球の形によって性格の違いが大きく見られるようでした。 ロケットの「慎重」の割合がほぼいないのが面白いですね。
また、ネコちゃんの肉球の色については、「ピンク・黒・アズキ色・MIXの4種類の色に分かれており、その色によっても性格が異なる」という情報を見かけましたので、こちらも調べてみました。
アンケートにご協力いただいたネコちゃんたちの肉球の割合は以下のとおりです。
まず、肉球の色についてはピンクの子が多いようですね!
ちなみに猫種によっても関係があるようです。
続いて性格についての結果をご紹介します。
甘えん坊といった共通の性格はありつつ、「黒い肉球の子は怖がりが多い」「MIX色の肉球の子は警戒心が強い」などの特徴が、形で比較したときよりもわかりやすく現れていました。
肉球の色や形で性格がわかれると言い切れるほど、はっきりした差が出たとは言いにくいですが、いくらかの傾向は見て取れますので少しは関係があるかもしれませんね。
まとめ
今回は、犬猫の肉球に関する話題を掘り下げてみました。
肉球の基本知識から性格診断までご紹介しましたが、皆様のワンちゃん・ネコちゃんに当てはまるものはありましたでしょうか?
ぜひこの情報をワンちゃん・ネコちゃんとのコミュニケーションに役立てていただき、また皆様にも肉球の魅力についてお伝えできたら幸いです。
最後になりますが、肉球に関するアンケートにご協力いただいたオーナーの皆様には改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました!