こんにちは。レティシアンスタッフのAです。
突然ですが、皆様が “かわいい” と感じるのはどのようなときですか?
“かわいい” にもいろんな種類がありますが、一般的に外見の特徴において「体に対して頭の割合が大きい」「丸みを帯びている」「丸くて大きい目」「手足が短い」など、人間の赤ちゃんにみられるような外見の特徴に対してかわいいと感じることが多いそうです。
この人間の赤ちゃんに対して感じる “かわいい” は、犬についても共通しています。短い足で丸々とした見た目のワンちゃんがトコトコ・テクテク歩いている姿は、なんとも愛くるしいものです。犬が好きな方は誰でもキュン♡としてしまうのではないでしょうか?
そこで今回は、手足が短く丸々した見た目がかわいい「短足種」のワンちゃんについてお話しさせていただきます。
目次
犬の「短足種」代表的な5種をピックアップ
ペキニーズ
長毛なので分かりにくいですが、胴長で短く太い足が特徴の短足種です。フサフサの長毛としっかりとした骨格であることも相まって、見るからに丸々としています。ダックスやコーギーなどのような使役犬ではく、短足の愛玩犬になります。
ダックスフンド
“ワンちゃんの短足種” と聞くと真っ先に思い浮かぶのでは?というほど有名な短足の犬種です。大きさによって「カニヘン」「ミニチュア」「スタンダード」という種類に分かれます。もともと先祖が狩猟犬だったので、キツネなどの巣穴に入りやすいように細長い体型になったそうです。
ウェルシュコーギー
「カーディガン」「ペンブローク」の2種類がJKC(ジャパンケネルクラブ)に登録されていますが、近年ではフワフワの長毛の遺伝子を持った「フラッフィー 」という種類もいるとか。先祖は牧畜犬で、牛などに蹴られるのを防ぐために体高が低い体型になったのだそうです。
ノーリッチテリア
たくさんいるテリア種の中でも特に小さい種です。短足胴長の小さな体ですが骨格はしっかりしています。キツネなどの狩猟だけではなく、ネズミなどの小型の動物の狩猟もできるようにコンパクトな体型になったのだとか。
バセット・ハウンド
短足種の中でもしっかりした体型をしています。特徴的な大きいたれ耳のため、歩いているときに耳が地面についてしまうこともしばしば。もともとはウサギなどを狩る狩猟犬でしたが、狩猟犬としては珍しく落ち着いた性格をしています。
(愛玩犬=家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬 )
(牧羊犬・牧畜犬=家畜の群れを誘導・保護する犬)
(狩猟犬=狩猟に使われる犬)
(使役犬=人のために働く犬・作業をする犬、牧羊犬・牧畜犬・狩猟犬・番犬・警護犬などの総称 )
短足種の犬との生活で注意すべきポイント
【注意点その1】高さのあるソファーやベッドへの乗り降り
身体能力が高い犬は、ジャンプしてソファーやベッドに乗り降りすることも多いでしょう。日常的によくみられる行動ですが、実は降下時に足腰へかなりの負担がかかっています。軽々とジャンプしているように見えても、着地の衝撃で骨折や椎間板ヘルニアなどになってしまうこともあるので注意が必要です。
・対策方法1:ソファーやベッドから降りるときは抱っこする
大好きな家族の匂いがするソファーやベッドに乗らないようにしつけをすることは難しいと思うので、ソファーやベッドから降りるときには抱っこして降ろしてあげましょう。
その際、抱っこの仕方についても注意が必要です。腰が反った状態の抱っこや、人間の赤ちゃんにするような両脇を持つ抱っこは、短足種に限らず犬にとっては負担がかかる体勢となってしまいます。腕の中で「背骨が地面と並行になる抱っこ」を心掛けましょう。
・対策方法2:滑らない&適度な硬さの座布団やクッションを敷く
ソファーやベッドから直接床に飛び降りないよう、着地時に滑りにくく適度な硬さがある座布団やクッションなどを敷いて、ジャンプして降りないようにすると良いでしょう。座布団やクッションという中間地点ができることで着地時のダメージがぐっと減ります。
・対策方法3:家具を変更、または犬用の家具を取り入れる
根本的な解決策として、ローソファーやローベッドに変える方法もあります。しかし、家具を買い替えるとなると大きな出費となりますし、こだわりの家具だし…と躊躇される方もいらっしゃると思います。そんな場合は犬用スロープやドッグステップを取り入れることも良いでしょう。様々な会社から発売されていて、デザインや機能性などラインナップも豊富ですので、今使っている家具にピッタリなものが見つかると思います。
【注意点その2】階段の昇り降り
人間にとってはなんてことのない高さの階段でも、短足の犬にとっては結構な高さになります。1階から2階への階段は段数も多く、昇り降りはかなりの重労働です。おうちの設計上の都合もあるので対策方法は限られてしまいますが、できることはいくつか考えられます。
・対策方法1:階段の入り口にゲートを付ける
短足の犬に長い階段を昇り降りさせないようにすることが、足腰に負担をかけない・怪我をさせないことに繋がるので、ゲートを付けて階段を塞ぐようにするといいでしょう。家族が2階に行ってしまい愛犬だけ1階に取り残されてしまう…ということもありますが、その際は抱っこして昇り降りをしてあげましょう。
・対策方法2:階段のフローリングを滑りにくくする
階段にゲートを付けることが難しく、愛犬自身で階段の昇り降りをしてしまうことを防ぐことが難しい場合は、階段部分のフローリングに滑りにくい素材のカーペットを敷くと滑って転んでしまう事故が起きづらくなります。ただしこれは床を滑らないようにする方法のため、足腰の負担の軽減においては大きな期待はできないかもしれません。
【注意点その3】肥満
人間でも犬でも「肥満」は健康に害を及ぼす可能性が高く、犬種に問わず注意が必要です。特に短足の犬は、足腰への負担を気にするあまり運動量を減らして肥満になってしまうケースも少なくありません。また、愛玩犬に比べて運動量が多い使役犬は、運動量が不足しがちで肥満体になりやすい傾向にあります。肥満が招く怪我や病気は以下のようなものが考えられます。
・椎間板ヘルニア
背骨の骨と骨の間のクッションの役割をしている「椎間板(ついかんばん)」が変形して飛び出し、神経を圧迫することを椎間板ヘルニアと言います。突出した場所・程度によって症状が異なります。加齢が原因のケースもありますが、肥満・階段の昇り降り・滑りやすいフローリングなどが原因で発症してしまうこともあります。
・糖尿病
インスリンの作用不足により、血糖値が高くなる病気です。症状の進行とともに多くの合併症を伴うこともあります。肥満・生活習慣・ストレスなどが原因で発症してしまうことがあります。
・心臓病
心臓病の初期にあまり症状はでませんが、進行すると咳や呼吸困難などの症状がでます。さらには、突然死ということも起こりえるので注意が必要です。体重が増えるほど体内に血液を送る量が多くなるので、肥満は心臓に負担をかけていることになります。
肥満対策についてご紹介したコラムもありますので、ぜひあわせてご覧ください。
【愛犬・愛猫の「肥満」対策】減量のポイントは食事と運動!
短足種の犬が得意なこと、好きな遊び
胴長・短足のワンちゃんは、その見た目から運動神経が良くないように見られがちですが、実は狩猟犬などの使役犬だった犬種が多いので、とっても運動神経が良いのです!こんな遊び方が得意(好き)なことが多いですので、ご参考にしてみてください。
引っ張り合いっこ
「狩りをした獲物を引っ張るという疑似行為」になるので、狩猟本能を満たしてあげることができる遊びです。おもちゃやロープを使いますが、遊んでいるときにワンちゃんを縦に持ち上げるように引っ張りあってしまうと、首や腰を痛めてしまう可能性があるので、おもちゃは左右に振って遊んであげましょう。
余談ですが、引っ張り合いっこが好きだった我が家の犬(コーギー)はおもちゃ箱からよくロープを咥えてもってきて「遊ぼー!」とアピールしてきました(笑)
穴掘り
「巣穴に隠れた獲物を探す疑似行為」になるので、狩猟本能を満たしてあげることができる遊びです。ご自宅のお庭や砂場など、穴を掘っても良い場所で遊びましょう。ワンちゃんが満足するまで穴を掘り進めたら、オーナー様が掘った穴を埋めてあげる、またワンちゃんが掘り進める…ということを繰り返すと無限に遊べます。(実際にスタッフAは無限に遊ばされました!)
ボールやフリスビー遊び
「動くものを捕まえる・追いかけるという疑似行為」になるので、狩猟本能や羊などの家畜を集める牧羊犬としての本能を満たしてあげることができる遊びです。ボールやフリスビーをキャッチできて、その後オーナー様へ渡すことができたときに褒めてあげると、「上手にできた!」という満足感もあり、この遊びを好むワンちゃんも多いです。
ドッグスポーツ
活動的で使役犬らしい賢さがあるので、たくさん走ることができるアジリティなどのドッグスポーツが得意な子も多いです。また使役犬は社交的な一面もあるので、人間と一緒に行動することを好む子も多く、家族と一緒に遊べることもワンちゃんにとっては嬉しいことになります。
短足種の犬が苦手なこと、苦手な遊び
基本的に運動神経が良いので、不得意な遊びや運動はあまりないかと思います。
しかし、短足ゆえに他のワンちゃんと比べてヘルニアなどになりやすいため「ジャンプする遊び」や、立ち上がって「2本の足だけで立つ」ような動作には気を付ける必要があるでしょう。
まとめ
今回は犬の短足種にスポットをあててお話しさせていただきましたがいかがでしたでしょうか。
短足のワンちゃん、やっぱり可愛いですよね!スタッフAはコーギーを飼っていたので、その当時に気を付けていたことを思い出しつつ執筆していましたが、ついつい我が家の犬のことを思い出してしまいました。お尻が食パンみたいだったなぁ、犬用プールで短い足で一生懸命に犬かきをしていたなぁ、などたくさんのかわいいエピソードが蘇ってきて、執筆したい内容と逸れないように必死でした。
現在、短足種のワンちゃんを飼われている方や、これから短足種のワンちゃんのお迎えを検討している方・まもなくお迎えする方の参考になれば幸いです。