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【多頭飼育の心得】~子犬のお迎えから先住犬との対面~

こんにちは、レティシアンスタッフのSです。

我が家の2歳になる愛犬は、私が仕事の間、いつもお利口に留守番をしてくれます。
見守りカメラで確認すると基本的にはずっと眠っているようですが、ひとりでの留守番は可哀想だと思い、一緒に過ごせるような弟犬または妹犬をお迎えしたいと考えるようになりました。

いわゆる「多頭飼育」を始めるにあたって、お迎えするまでの準備や心得について調べたり、多頭飼育をしている先輩に相談したりしました。多頭飼育についての基礎知識も蓄積されてきましたので、ご検討中の方のお役に立てればと思いご紹介します。

お迎えする前に

新しいワンちゃんを家族にお迎えすることについて考え始めると、気持ちが高ぶり、楽しいことをたくさん想像しますよね。

しかし衝動的にお迎えすることを決めてしまうと、先住犬が辛い思いをしたり、こんなはずではなかったと思うようなことが起こったりしてしまう可能性があります。
まずは一度冷静になって、本当に2頭目をお迎えして良いか、起こり得る問題はないか、考えてみることをおすすめします。

先住犬のことを第一に考える

多頭飼育を検討する際には、先住犬の性格や年齢を考慮した上でお迎えをするかどうかを決めることがもっとも重要です。
犬同士の相性は実際に対面してみないとわからないところではありますが、例えば“おとなしい先住犬と元気すぎる子犬”の組み合わせでは、慣れるまでに時間がかかってしまうことが想像できます。
この他にも考えておきたいポイントはいくつもあります。

 

・先住犬がシニアの場合、子犬の元気パワーで若返ることもあるようですが、疲れて体調をくずしてしまうことがあります。

・先住犬も若齢の場合、一緒に遊んでくれることも多いようですが、2頭共に元気すぎるとお世話をするオーナー様が大変になることがあります。

・2頭の年齢が近い場合、将来シニアになった際に、同時期に介護が必要になる可能性があります。

・2頭の体格差があると、予期せぬ怪我をしてしまう可能性があるため、犬種の選択も大切です。同じ犬種同士、同じ性別同士のほうが仲良くなりやすいと言われています。

 

事前の準備を綿密に行う

①飼育費用が2倍になる

2頭になるということは飼育費用も2倍かかることになります。
経済的にも問題がないか事前にシミュレーションすることをおすすめします。
多頭飼育の先輩から「保険に入っていて良かった」という話を聞いたので、もしものときのためにペット保険への加入も検討すると良いかもしれません。

②愛犬のお世話が2倍になる

また、2頭になるということは、必然的にお世話も2倍です。
家族の協力なしには難しいことも出てくるかもしれませんので、あらかじめ家族に相談し、了承を得てからお迎えするようにしましょう。

③賑やかさが2倍以上になる可能性も

「多頭飼育をしても問題のない住居環境が整っているか」という点も重要です。
子犬は新しいおうちに慣れるまでの間、寂しくて鳴いてしまうことがあります。
また、先住犬も急にやってきた子犬への接し方がわからずに、普段はおとなしいワンちゃんでも、吠えてしまうことがあるかもしれません。
さらに相性が良ければ良いで、楽しくなって2頭一緒に家の中を走り回り、賑やかになりすぎることも考えられます。そのためご近所への配慮も必要です。

 

新しい家族をお迎えするということはとても楽しみなことですが、同時に大変なこともあります。
事前に様々なトラブルについて想定しておくと、想定外のことが起こっても対処ができたり、おおらかな気持ちで成長を見守ったりすることができると思います。

子犬のお迎え

お迎え方法

 

・ペットショップからのお迎え
・ブリーダーからのお迎え
・保護施設などからのお迎え(里親になる)

 

ワンちゃんとの出会いは一期一会なので、どちらからお迎えすることにしても素敵な縁だと思います。
私は「ブリーダーからのお迎え」を検討しており、色々調べていたところ、ブリーダーなど動物取扱業に関連する法律が最近、改正されていたことを知りました。

改正があった法律は、『動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)』というもので、動物の愛護と動物の適切な管理(危害や迷惑の防止等)を目的とした法律です。
最近では、令和元年6月に改正され、令和4年6月1日には、段階的に施行されてきた改正内容の全部が施行されました。これにより第一種動物取扱業による「適正な飼養管理基準」が具体化されています。

動物取扱業者(ブリーダー・ペットショップ)を選ぶポイント

<ブリーダー・ペットショップ共通>
①適切な月齢での販売ですか?
生後一定期間は親兄弟と一緒に過ごした方が良いため、出生後56日(8週)を経過しないと販売できません。

②ケージの中で快適に過ごせていますか?
ワンちゃんが立ったり、眠ったりするために十分な空間を確保するため、ケージのサイズに基準が設けられています。また、照明や音についても苦痛になることがないように努めなければなりません。

③育て方や健康状態などの説明はありましたか?
事前に購入者へ基本的な育て方や健康状態などを説明する必要があります。

④販売者の情報は明確ですか?
動物取扱業の登録をしている販売者であれば、登録番号、動物取扱責任者、動物取扱業の種別などを明確にして、店内や犬舎に提示または従業員が名札に記載して付けています。

<ブリーダー>
①ワンちゃんと面会をしましたか?
ワンちゃんの状態を直接見せて対面にて販売をする必要があります。1度も面会を行わずにネットなどで購入することはできません。

②従業員の数とワンちゃんの頭数のバランスはとれていますか?
従業員一人当たりの飼育数の基準が設けられています。少人数の従業員で多数のワンちゃんのお世話を受け持つことはできません。
飼育が困難にならないよう、またワンちゃんの体への負担も考慮して繁殖基準(生涯出産回数の制限、交配時の年齢を制限など)も設定されています。

※『動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)』について、詳しくは以下の環境省のサイトをご確認ください。
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/index.html

子犬をブリーダーやペットショップからお迎えする際には、動物愛護管理法に準拠しているか必ず確認しましょう。

お迎え準備

お迎え前に必要なものを用意します。

・ケージ
先住犬とは別に専用ケージが必要です。後述しますが、先住犬との対面の際に必須となります。

・トイレ
子犬は元気いっぱいで様々なものに興味を持ちます。トイレシートをおもちゃにして、破いてしまう可能性が高いので、網付のものがおすすめです。

・ペット用ヒーター
子犬は体温調節が苦手なため、冬場にお迎えする場合は用意したほうが安心です。

・クレート
連れて帰る際に使用します。また、「クレートトレーニング」を行うためにも用意しておくと良いです。
※「クレートトレーニング」とは、クレートに入って犬が落ち着いて過ごせるようになるためのトレーニングのことです。

・フードボウル
先住犬とは別に子犬用のものを用意します。

・給水ボウル/給水器
元気に動き回った時に水をこぼしてしまう可能性があります。使えるようでしたら、給水器のほうがおすすめです。

お迎え時期

ブリーダーやペットショップからお迎えする場合、『動物愛護管理法』の改正により、「出生後56日(8週)を経過しない犬の販売等を制限」することになったため、57日以降からのお迎えになります。
なお、ブリーダーのところからお迎えする際には必ず犬舎に訪問して、見学と対面説明を受ける必要があります。

こちらは令和3年6月1日に施行された改正『動物愛護管理法』内の「適正飼養の促進」、「不適正飼養に対する指導」の一環です。必ず対面説明を受けて、心配事を取り除いた後、決められた月齢まで成長した子犬をお迎えするようにしましょう。

先住犬との対面

対面手順

①先住犬が生活している部屋とは別の部屋に子犬用のケージを用意し、子犬を入れる

②先住犬が自由に子犬のいる部屋へ行き来できるようにして、好きなように観察してもらう

③先住犬自ら、子犬が入ったケージに近づき、ケージの前でおすわりやふせをする様子が見られたら子犬をケージから出す

④子犬がお尻の匂いを嗅がれているとき素直に従っていれば対面は成功

 

2頭の関係性の構築

先住犬には先住犬のペースがあります。
対面が成功してもしばらく遊ばせた後は、子犬をケージに戻すようにします。これを繰り返し、対面の時間を少しずつ長くしていくと、先住犬は子犬を受け入れるようになることが多いようです。

「人間の介入はあまり良い影響を及ぼさない」とも言われますので、2頭の関係性が構築されるまで、あたたかく見守ってあげるようにしましょう。

2頭へは同じように愛情を注ぎますが、ごはんやおやつを与える順番、遊ぶ順番、名前を呼ぶ順番、リードを装着する順番など、些細なことであっても先住犬を優先するようにすると、正しい関係性が定着しやすいといいます。

まとめ


多頭飼育にはメリット、デメリットの両方があります。じっくりと検討し、考えられるあらゆることをクリアにして、準備が整った最良のタイミングでお迎えすることをおすすめします。

また、先住犬もご家族の皆さんも、心と時間に余裕があるときにお迎えすると、家族関係が上手くいくそうです。ご家族の皆様と先住犬、迎え入れた子犬、みんなが幸せに過ごせますように願っています。

 

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