こんにちは。レティシアンスタッフのHです。
皆様は「動物愛護週間」とはどのようなものかご存知でしょうか?
その名前を聞いたことはあるものの、具体的に何をしているのか、期間はいつなのかなど、その内容をご存じない方もいらっしゃるかと思います。
私自身もワンちゃんを飼っていましたが、正直なところ、あまり関心を持ったことはありませんでした。
しかし、こうしてペット業界に関わるようになったこともあり興味を持って調べてみると、知れば知るほどその活動の素晴らしさを理解することができました。「動物愛護週間」についてご紹介しますので、ぜひお付き合いください。
目次
「動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)」について
動物虐待などを防ぐ「動物愛護管理法」
動物愛護週間の前に、まず「動物愛護管理法」について簡単にご説明します。
ペットブームが続く昨今では、ワンちゃんやネコちゃんを私たちの生活を癒やしてくれる「ペット」として迎え入れる方もいらっしゃれば、「家族」や「パートナー」など、より深く近い存在としてお迎えする方も増えています。いずれにしても、オーナー様はそのワンちゃんやネコちゃんに対して愛情を注ぎ、迎え入れたときから生涯を終える最期のときまで責任を負う義務があります。
しかし、生涯ワンちゃんやネコちゃんを大切にされる方もいる一方で、残念ではありますが、虐待など不適切な扱いを受けるワンちゃんやネコちゃんがいることも事実です。動物虐待などが社会問題となり、政府が法整備・法改正を進めた結果できた法律が「動物愛護管理法」です。
「動物愛護管理法」の概要
動物愛護管理法の第一章・第二条に「基本原則」というものが定められています。また、環境省「動物愛護管理法の概要」に下記のとおり「基本原則」がまとめられています。
“すべての人が「動物は命あるもの」であることを認識し、みだりに動物を虐待することのないようにするのみでなく、人間と動物が共に生きていける社会を目指し、動物の習性をよく知ったうえで適正に取り扱うよう定めています。”
(環境省「動物愛護管理法の概要」より ※2022年2月参照時点の情報)
この他にも、動物の適正な取り扱い、健康および安全の保持など様々な法律が存在していますが、その中に今回のテーマである「動物愛護週間」があります(前置きが長くて申し訳ございません!)。
「動物愛護週間」とは
「動物愛護週間」は1974年より現在の形に
「動物愛護週間」は、1927年5月28日から1週間行われたことが始まりで、1974年より現在のように9月に動物愛護週間が設けられるようになりました。動物愛護管理法第一章・第四条に「動物愛護週間」について下記のとおり定められています。
(動物愛護週間)
第四条 ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける。
2 動物愛護週間は、九月二十日から同月二十六日までとする。
3 国及び地方公共団体は、動物愛護週間には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならない。
(動物愛護管理法 第一章・第四条 動物愛護週間 より ※2022年2月参照時点の情報)
この法律に則り、国、地方自治体、関係団体が協力して、動物の愛護と管理に関する普及啓発のための各種行事を執り行っています。
「動物愛護週間中央行事」の開催
上記のとおり、9月20日~9月26日は動物愛護週間と定められております。その期間に動物への理解と関心を深めることを目的に動物愛護中央行事が開催されます。
動物愛護のテーマは毎年異なっていて、令和3年度の動物愛護週間中央行事では、下記のプログラムが開催されました。
令和3年度テーマ「私たちがつくるペットとのこれから」
・各表彰受賞作品の紹介
動物愛護週間ポスターデザイン絵画コンクール
日本動物児童文学賞
動物愛護に関する標語コンクール
全国ペット写真コンテスト
動物愛護キャッチコピーコンクール
・講演
・パネルディスカッション
令和3年は新型コロナウイルス感染対策によりオンライン開催となり、屋外行事も中止になってしまいましたが、通常は屋内外で開催される行事が予定されています。
また、この動物愛護週間中央行事だけではなく、自治体ごとでイベントの催しがありますので、気になる方はお住まいの自治体の活動をご確認ください。
「動物愛護週間」に何をすれば良いのか
「動物愛護」と聞くと、少し難しく感じてしまうかもしれません。動物愛護週間中央行事や自治体のイベントに参加するのも良い手段ですが、足を運ぶことに対しなかなかハードルが高いと思う方もいらっしゃるでしょう。
こういったイベントだけではなく、誰にでも取り組めることがたくさんあります。例としていくつかご紹介しますので、ご参考にしてみてください。
・一緒に暮らすペットの生活についてあらためて考えてみる
・一緒に暮らしているペットと過ごす時間を増やしてみる
・保護犬や保護猫について考えてみる
・マイクロチップ装着について考えてみる
・実家にいるペットに会いに行ってみる
・動物園に行って動物ごとの掲示物をしっかり読んでみる
・動物の殺処分について考えてみる
「動物愛護週間」の本来の目的は “動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めること” です。特別な何かをする必要はありません。難しく考えなくても良いのです。
「動物愛護管理法」の改正について
動物たちにとってより良い環境にすべく、法律も改正されています。動物愛護に関係する規制や罰則についても厳しくなりましたので、ご参考までに今回のお話に関係がある部分をご紹介させていただきます。
・動物虐待罪に対する罰則の引き上げ
殺傷:懲役5年以下、罰金500万円以下 ← 懲役2年以下、罰金200万円以下
虐待・遺棄:懲役1年以下、罰金100万円以下 ←罰金100万円以下
・動物愛護管理センターの業務を規定
・動物愛護管理担当職員の拡充
・殺処分の方法に係る国際的動向の考慮
・獣医師による虐待の通報の義務化
(環境省「動物愛護管理法>動物愛護管理法の概要」より一部抜粋 ※2022年2月参照時点の情報)
まとめ
少しお堅いお話になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
まもなく今年も動物愛護週間が始まります。9月20~26日の1週間は、いつもより動物に対する考えや関心をもつ良い機会にしていただけたらと思います。私もこの期間を利用して動物との暮らしについて今一度見つめ直したいと思います。