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【効果が期待されているメディカルハーブ】~ハーブを使用したサポートケアについて~

こんにちは、レティシアンスタッフのSです。

皆様、ハーブティーやアロマはお好きですか?私は昔からハーブティーもアロマも大好きでよく愛用しておりました。犬を迎えてからアロマはあまり使用しなくなったのですが、犬にも良い効果があるかもしれないとのことですので、再び興味が湧いてきました。
今回は世界的にも注目を浴びているメディカルハーブについてご紹介したいと思います。

メディカルハーブとは

現在主流となっている近代医学以外の、主に伝統的な手法を用いる代替療法はいくつかありますが、メディカルハーブもその一分野にあたります。健康管理や病気の予防・治療を行うときに、動物の体にもともと備わっている「自然治癒力」を利用しようとする『自然療法』の考え方に則り使用されるハーブのことをメディカルハーブといいます。

海外で拡大を続けるメディカルハーブ市場

近年、アメリカをはじめとする多くの国で“ペット向けハーブ”は非常に人気があり、アメリカの獣医師の少なくとも40%がすでにハーブやその他の『自然療法』を実際に使用している、または使用することに興味をもっているそうです。さらに「ペットオーナー様はハーブやその他の『自然療法』に総額で年間11億ドル以上費やしており、さらにその額は増え続けている」という情報を耳にして、とても驚きました。
日本では残念ながら自然療法・ハーブ療法を取り入れている病院は多くありません。そのため、メディカルハーブに興味をお持ちの方は、かかりつけの獣医師だけでなく、ハーブ療法を取り入れている動物病院でも相談してみると良いかもしれません。

医薬品とメディカルハーブの違い・比較

メディカルハーブは、日本では「食品」として取り扱われますが、ドイツなどでは「医薬品」として取り扱われています。それらの国では、以下のようなケースで使用されています。

・全体的なアプローチが必要な慢性疾患や慢性症状
・対症療法で結果が出にくい場合

日本でも自然療法やハーブ療法を取り入れている動物病院では、同様に使用することもあるようです。

~医薬品~
1つあるいはいくつかの成分で作用点を絞って効果を発揮する。

~メディカルハーブ~
非常に多くの成分が体中のあちこちで作用することで効果を生み出すと考えられている。
それぞれの成分が含まれる量はわずかなため、医薬品と比較するとひとつひとつの作用は弱いが、それゆえに副作用もとても少ないといえる。

体の不調は必ずしもひとつの原因から生じるわけではないので、医薬品であまり良くならない場合、ひょっとしたら医薬品のターゲットとしている箇所以外にも不調があるのかもしれません。そういったときこそ、他成分で多面的にアプローチができるメディカルハーブが活躍すると考えられます。また、メディカルハーブは自然治癒力を強化し、免疫力UPや未病への効果が期待されています。体を本来あるべき状態にし、健康バランスを維持する手助けをしてくれるのです。

医薬品(製剤)との併用

自然治癒力を強化すると考えられるメディカルハーブですが、体調に気になる点があれば、まずはかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。

・メディカルハーブよりも従来の医療の方が治療に効果がある可能性があるため
・病院で処方された製剤に対してハーブが影響を及ぼしてしまうことがあるため

メディカルハーブと他製剤との飲み合わせは、製剤の効果の減弱や逆に強調される可能性があるため、注意する必要があります。

メディカルハーブの使用を控えるべきケース

・妊娠中
・授乳中
・哺乳期の子犬子猫

これらに該当する場合は、原則的にメディカルハーブは与えないほうが良いとされています。食物アレルギーがある場合も注意が必要です。例えば、ミルクシスルはキク科植物のアレルギーがある場合は使用できません。メディカルハーブをはじめてから嘔吐や下痢、痒みや皮膚の炎症がみられた場合もすぐに使用をやめて、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

適用動物

メディカルハーブは、犬・猫・うさぎなどへの効果が期待されています。

犬:肝臓疾患、腸内毒素のデトックス、消化不良、膀胱結石など
猫:神経過敏症、利尿剤、強壮効果など
うさぎ:胃腸障害、栄養補給、肝臓障害、下剤など

こういった症状がみられる場合に使用されることが多く、基本的には人とほとんど同じ疾病に対応できるそうです。

ハーブの使い方(与え方)について

 

※メディカルハーブを取り入れる前に※
まずはかかりつけの獣医師に「メディカルハーブを取り入れたい」と必ずご相談してください。ハーブの調剤や使用方法については、専門的な知識が必要となるため、ハーブ療法を取り入れている動物病院でご相談いただくと良いかもしれません。

 

経口投与が一般的な与え方で、経口投与の場合、そのまま与えても良いですし、吸収という点から考えると食事とは別に与えるのがもっとも良いといわれています。できれば空腹時となる食前がおすすめです。そのまま食べてくれればいいのですが、難しい場合は食事に混ぜるといいでしょう。

下記に犬と猫におすすめされているメディカルハーブの主な剤型をご紹介します。

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チンキ剤:アルコールやグリセリンにフレッシュハーブやドライハーブを漬け込んで作る。メディカルハーブ調剤としてはもっともおすすめ。脂溶性、水溶性のどちらの成分も摂取することができ、成分濃度が高く、少量でもすばやく効果を発揮してくれる。「そのまま与える/料理に使用/内服」といった方法をとることが難しい場合、「外用」にも使用できる。
※アルコール・グリセリンは多量に摂取すると犬や猫に悪影響を及ぼすことがあるので、獣医師の指導に従って使用する。

浸剤(ハーブティー):フレッシュハーブやドライハーブをお湯や水に浸して作る。「内服」で治療効果を得るための充分な量を与えることが難しいので、どちらかというと「外用」として皮膚のトラブルに直接使用するのがおすすめ。

浸出油剤(ハーブオイル):ドライハーブをオリーブオイルやセサミオイルなどのオイルに浸して作る。「外用」として、肉球などに直接使用するのがおすすめ。
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1週間のうち「5日与え、2日休む」という与え方が一般的です。休みを入れることでハーブに対する反応を見ることができ、長期使用による耐性や毒性の問題も緩和できます。1週間続けて最大量を与えても効果がみられなければ、他のハーブに切り替えてみたり、再度かかりつけの獣医師に相談してみたりしてください。観察記録をつけておくと、獣医師に相談する際に役立つようです。

与える量について

基本的には対象動物の体重から算出し、個体によって与える量や与える期間が変わります。与えれば与えるほど良いというわけではありません。また、初めて試すハーブは必ず少量から与えるようにしましょう。

トラブルごとにおすすめのハーブ

症状ごとにどのようなハーブが使用されるのかご紹介します。今回はアニコム疾患別統計にて上位にあがることが多い疾患についてご紹介したいと思います。

(家庭どうぶつ白書2023 対象:2021年4月1日から2022年3月31日までの間に、アニコム損保の保険契約を開始した犬727,991頭、猫212,209 頭)

・消化器系のトラブル

上部のランキングは保険金支払いがあった疾患別統計ですが、病院に通うほどではなくても、消化器はよく不調がみられるところではないでしょうか。疲れや体調不良がまず消化器トラブルとして現れる動物は多いものです。例えば、いつもよりお腹がギュルギュル鳴る、便に粘液がつく、臭いおならが出るなどの症状は、消化器の不調のサインであると、ペットオーナーであれば皆様ご存知のことと思います。
ハーブ療法においてもっとも重要なのは「消化器系へのアプローチ」だといわれており、腸内環境を整えることで様々な体の不調を改善することに繋がると考えられています。

 

おすすめされているハーブ:ミルクシスル、レッドクローバーなど

ミルクシスル:肝臓のトニック、デトックス、肝保護、肝細胞再生、利胆、抗酸化、抗炎症、抗菌、抗ウイルス、抗真菌、血糖値降下

レッドクローバー:血液浄化、去痰、利尿、抗凝固、抗炎症、抗酸化、神経保護、抗腫瘍、鎮痛、栄養補給

 

・泌尿器系のトラブル

メディカルハーブを使用した治療は、尿中の老廃物を排泄するというもっとも基本的な機能を正常に働かせることを目的にすることが多いそうです。尿量を増やすことで老廃物の排泄を促進させる「利尿ハーブ」は非常に多く使われます。また、季節的に発症しやすい膀胱炎や尿路感染症へは、「予防的なハーブ」の利用が結果を出すケースが多いそうです。

 

おすすめされているハーブ:マシュマロウ、カウチグラスなど

マシュマロウ:粘膜保護、皮膚軟化、抗菌、抗炎症、血糖降下、免疫賊活、利尿、収れん、栄養補助

カウチグラス:尿路のトニック、抗菌、収れん、抗炎症、利尿、粘膜保護

 

・皮膚トラブル

皮膚トラブルが起きたときは、クリームや軟膏などの外用薬や症状を鎮めるステロイド剤や抗ヒスタミン剤などの内服薬を処方されることが多いですが、根本的な原因が解決されないまま投薬をやめるとすぐに再発してしまうことがあります。我が家の犬もまさにこのパターンです。1年前くらいから原因が特定できない痒みに悩まされていて、処方していただいた「痒みサイクルを断つ内服薬」を飲んでいるときは痒みが落ち着いていますが、やめると症状がでてしまいます。不調の原因が皮膚のこともあれば、内臓からということもあるようで、皮膚の健康だけでなく、全身の健康を改善することも重要です。ハーブ療法では全身にアプローチして体のもつ「自然治癒力を高める」ことにより皮膚トラブルが起きにくくなると考えられています。
実は私がメディカルハーブに興味をもったのは「我が家の犬の痒みをなんとかしてあげたい」と思ったからでした。皮膚疾患については原因の特定が難しいとのことでしたので、メディカルハーブがもつ「自然治癒力を高める」力を期待して取り入れてみたいと考えています。

 

おすすめされているハーブ:バードッグ、レッドクローバー、エキナセアなど

バードッグ:体質改善、腎臓のトニック、苦味、利尿、暖化、抗酸化、抗腫瘍、抗菌、鎮咳、去痰、整腸、脂質低下、血糖値降下、栄養補助

エキナセア:体質改善、免疫刺激、抗菌、抗ウイルス、抗炎症、抗カタル、創傷治癒、駆風

 

まとめ

今回メディカルハーブについて調べて、「自然治癒力を高める」「自然治癒力を発揮しやすくしてくれる」存在であることを知りました。
また、「何か不調がみられた場合、食事を見直すことが大事だ」ということも学びました。食事は腸内環境にダイレクトに影響し、ハーブの効果も変わってきます。ハーブを摂取しても効果がみられない場合は、食事を見直し、腸内環境を整えることが糸口となるそうです。やはり重要なのは「しっかり食べてしっかり出す」こと。体に老廃物がたまることで不調をきたすとのことなので、老廃物の排泄を助けるメディカルハーブの力をかりることも考えていきたいと思いました。
まずはかかりつけの獣医師に「皮膚トラブル緩和のためにメディカルハーブを使ってみたい」と相談してみようと思います。

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