こんにちは、レティシアンスタッフのSです。
前回はアニマル・メディカル・センターでの「ハイドロセラピー」の取材についてお伝えしました。今回はいよいよ、我が家の犬が実際にハイドロセラピー体験をさせていただいた様子をご報告させていただきます。
体験させていただいたのは、我が家のビションフリーゼ(3歳)です。
食べることが大好き、ドッグランで遊ぶことも大好き、夏は水を怖がることなくプールにも入り、家ではお風呂にも入れています。
(おそらく)水嫌いではないということで、事前カウンセリングはクリアしました。
目次
1.マッサージ・ストレッチ
まずはマッサージからスタートです!
整形的に痛みがあると、その付近の筋肉、または痛いところをかばった他の筋肉が張ってしまうので、その状態を確認します。左右差・前後差がないか、筋肉の付き方や張り、凝りの状態などを確認しながら、基本的に全肢をマッサージします。このマッサージは、足先から付け根へ、もみほぐしやリンパ節に向かって流すようなイメージで行われます。
愛犬とのスキンシップにもなりますので、おうちマッサージもおすすめです!
次にストレッチです!
前後に曲げ伸ばしをしたり、歩いているときと同じように足を動かしたりして、これから行う運動のために血行をよくしていきます。ストレッチは時間を決めて数回行います。
2.レーザー
約5分間、悪いところにレーザーを当てます。
レーザーの種類によって効果は異なりますが、痛みを和らげたり炎症を抑えたりするなどの効果があります。近位赤外線は体表面近辺がほわほわと微かに暖かくなり、血流がよくなります。
直前のマッサージやストレッチでは、緊張のためか全身に力が入っていたようですが、レーザーの気持ちよさに気付いたのか、リラックスした柔らかい表情になりました!
3.カバレッティレール
一定の間隔かつ一定の高さの棒を連続的に平行に置き、その上をゆっくりとハードルを越えるようにして行う運動療法のこと
足腰が悪いワンちゃんは、正しい犬座姿勢ができません。スタート時点でまずは正しく座ることができるか確認し、正しく座れない場合は矯正します。
正しい犬座姿勢がとれたらスタートです!
向かい側から声をかけ呼び戻し、レールの上を歩かせます。身体的なトラブルがないワンちゃんは、しっかり足を上げてレールを跨ぐことができますが、足腰が悪いワンちゃんの場合は、レールにぶつかってしまいます。その状態を確認した後、足を上げる力をつけるために水中トレッドミルでのトレーニングが行われます。
我が家の犬はぶつかることなく歩くことができましたので、飼い主としては一安心です。
4-1.バランスボールでのトレーニング
揺れるバランスボールの上で踏ん張ることで、筋肉が付きます。
バランスボールの上に乗った状態でそのまま一定時間キープします。バランスボールを押して中の空気を動かすと揺れが大きくなり、トレーニングの負荷を増すことができます。また、前足だけ・後足だけなど、強化したいところを重点的に行うとよいそうです。
「1分間頑張ったら、1分間休憩」というように、ワンちゃんの様子をみながら数セット行います。
4-2.水中トレッドミルでのトレーニング
準備運動をしっかり終えたら、いよいよ水中トレッドミル体験です!
後ろに流れていかないように、先生も一緒に水中トレッドミルの中に入ってサポートしていただきました。
縁の部分は動かないので、頭のよいワンちゃんは縁の部分で止まってしまうことがあるそうです。前に歩いてもらうように正面から声かけをします。応援するとより頑張ってくれるワンちゃんが多いと聞きました!
我が家の犬の場合は、途中で何度か縁のほうに寄ったり、後ろに流れていったりしましたが、学生さんたちに応援してもらいながら楽しそうに歩いていました。先生に「初めてにしては上手だね」と褒めてもらい、とても嬉しそうでした。
水中トレッドミルでのトレーニングは、ワンちゃんの症状にあわせてスピード、時間、回数を決めて行います。
5.ドライ
水中トレッドミルが終了したら、濡れた体を乾かします。
我が家の犬はビションフリーゼなので、本来であればしっかりブローしながら乾かしたほうがいいのですが、体験当日は帰宅後にシャンプーする予定だったことと、外がとても暑かったので少しでも涼しく過ごせるよう、タオルドライのみしていただきました。
カット犬種の場合は、水中トレッドミルとセットで、併設のグルーミングサロンの予約を入れるオーナー様もいらっしゃるそうです。
■ハイドロセラピー体験を終えて
初めてのハイドロセラピー体験でしたが、「ゆっくりとした時間を過ごす」というよりは「楽しく賑やかにトレーニングする」といった印象でした。
トレーニングルームには、レスキューでお預かり中のおしゃべりが大好きな鳥さんもいて、みんなで笑いながらリラックスしたトレーニングができました。人間と同様に「続けて行うことが大事」とのことで、犬も飼い主も楽しく、決してトレーニング嫌いにさせないような気遣いが感じられました。
また、体験当日は真夏の暑い日でした。この時期はどうしてもお散歩の時間が短くなり、運動不足になってしまうワンちゃんも少なくないと思いますが、そうしたワンちゃんにもおすすめできるように思いました。
お忙しい中、コンパニオン・アニマル・センターの先生方には大変お世話になりました。以前から興味があったハイドロセラピーについて、お話しのみならず、我が家の犬が実際に体験させていただくという、とても貴重な経験をさせていただき、深く感謝しております。今後、リハビリが必要になった際や運動不足を感じた際には、あらためてお世話になりたいと思います。
私のようにハイドロセラピーについて興味をお持ちのオーナー様も多いことでしょう。まずはぜひ一度、 “人間がジムに通う” くらいの感覚で気軽にお試しいただくことをおすすめします。
今回の取材協力
コンパニオン・アニマル・センター(CAC)
〒150-0046東京都渋谷区松濤2-3-10
高柳獣医師・有谷愛玩動物看護師