こんにちは。レティシアンスタッフのMです。
突然ですが、皆様はワンちゃん・ネコちゃんにとって“最善のお手入れ” とは何だと思われますか?
私は「シャンプーをすること」だと思っています。
シャンプーはワンちゃん・ネコちゃんの清潔さを保つのはもちろん、シャンプーと同時にマッサージを行うことで皮膚の軟化や、血行改善が期待できます。シャンプーという1つのお手入れで、ワンちゃん・ネコちゃんとたくさんスキンシップをとることもできますし、とてもおすすめです。
そこで、今回はワンちゃん・ネコちゃんのシャンプーの手順・ポイント・注意点などについてお話ししていきます。
ワンちゃん・ネコちゃんは、私たちよりも地面に近いところで生活しているため、汚れやほこりが体に付着してしまうことが少なくありません。このため、お散歩など外出が多いワンちゃんだけではなく、室内にいるネコちゃんにとってもシャンプーは重要です。
また、ほこりが多い場所に入ってしまったときや、外で泥だらけになった後など、急遽シャンプーが必要な状況になってしまうこともあるでしょう。そんなときも焦らず対応できるよう、シャンプーの知識を予習しておきましょう。
ただし、ネコちゃんの中には水が苦手な子もいます。ネコちゃんが嫌がる場合は、無理をしてまでシャンプーする必要はありません。しかし、室内飼いのネコちゃん(特に長毛種)は、自分でなめて毛繕いするだけではお手入れが足りず、部屋中に抜け毛が散らばってしまいます。そんなの気にしないというオーナー様もいらっしゃると思いますが、ネコちゃんの体の清潔さを保つためにも、「短毛種は3ヶ月~半年に1回」「長毛種は1~2ヶ月に1回」くらいを目安にシャンプーすることが理想とされています。
目次
シャンプーを始める前に
まずはワンちゃん・ネコちゃんの健康チェックから始めましょう。普段の様子と変わりはないか、体に赤みやイボができていないかどうか、体の状態をよく見て確認しましょう。短時間(5分程度)で済ませることがポイントです。
健康チェック中にいつもと違った様子が見られた場合、その日のシャンプーはやめておきましょう。
健康チェックの過程で、ワンちゃん・ネコちゃんとコミュニケーションをとることができますし、健康状態の変化にも気づけます。普段と違う点を発見して病院を受診し、病気の早期発見につながることもありますので、シャンプー前の健康チェックはとても大切です。
健康チェックを終えたら、爪の状態を確認します。爪が長いと危険ですので、事前に切っておきましょう。
次に、体全体を軽くブラッシングします。ブラッシングによって毛玉や不要な毛を取り除くことができますので、この後のシャンプーがスムーズになり、時短につながります。
※爪切り・ブラッシングのより詳しいお手入れ方法は以下のコラムをご覧ください
【ペットの抜け毛にお困りの方は必見!】 ~愛犬・愛猫の抜け毛との上手な付き合い方~
【愛犬・愛猫と楽しい時間を過ごすために】 ~日頃ご自宅で行うケアについて~
シャンプー
まずは、シャンプーの手順についてご説明します。
ワンちゃん・ネコちゃんの体の汚れは、1度洗うだけでは落ち切れず、2度洗うことが推奨されています。ここでは「下洗い」を1回目、「本洗い」を2回目としてお話しさせていただきます。
~シャンプーの流れ~
① 体・頭をよく濡らし、軽くシャンプー(下洗い)
→全身にくまなくシャンプーをなじませたら軽くすすぎます。
② 体・頭を簡単に洗い流す
→洗い流す際、鼻や口にお湯やシャンプーが流れ込まないよう気を付けます。頭を洗う際は、顔が近いのでシャワーの水圧を弱くしましょう。
③ 体・頭をシャンプー(本洗い)
→下洗いで軽くシャンプーした後、すぐに本洗いのシャンプーに入ります。本洗いでは、指先を使ってきめ細かく、しっかり汚れや皮脂を洗っていきます。白い泡が立つように泡立てることを意識しましょう。
④ 体・頭をよく洗い流す
→本洗いのすすぎは、ぬめりが無くなって毛の手触りがキシキシするまで洗い流しましょう。すすぎ残しは皮膚疾患の原因になりますのでお気をつけください。
⑤ リンス(コンディショナー・トリートメント)をつけて、洗い流す
→リンスを洗い流すときは、すすぎ残しの確認もかねて、もう一度全身をすすぎましょう。シャンプーの時とは違い、リンスは適度に流すことが大切です。
※注意点など
・基本的に1回のシャンプーでは、すすぎと洗いを2回繰り返しますが、汚れがひどく泡立ちが悪い場合は3回行うこともあります。
・シャワーやお湯の温度は、ワンちゃんの場合「35℃前後」、ネコちゃんの場合「38℃前後」が適温といわれています。 冬場と夏場では感じる温度が異なるため、人の手の平で触って心地よい温度に設定しましょう。
・リンスインシャンプーなど、リンスが不要な場合はリンスの工程を省いてください。
シャンプーを始めるときには、ワンちゃん・ネコちゃんを驚かせないように、下半身からゆっくりお湯をかけはじめ、徐々に上半身を濡らしていきます。
シャワーが苦手なワンちゃん・ネコちゃんの場合は、シャワーヘッドを体に密着させて使用しましょう。
「桶にお湯を張り、そこにシャンプーを混ぜて体にゆっくりかけてあげながら下洗いする」「顔を洗う際にスポンジを使用する」といった方法も良いと聞きますので、参考になさってみてください。
タオルドライ・ブロー
シャンプーが終わったら、手で水気を絞ってからタオルで拭きます(タオルドライ)。吸水性の高いタオルで水気を吸い取るように拭き、両手にバスタオルを被せて体や手を包み込み、皮膚を拭くイメージで拭いてあげることがポイントです。
バスタオルで水気を取り終えたら、次はドライヤーで乾かします(ブロー)。
ドライヤーの熱による火傷や、力強くブラッシングした場合に起きる擦過傷に注意しましょう。ドライヤーをワンちゃん・ネコちゃんから20㎝ほど離して使用することがおすすめです。
ブローの流れ
① 体の上部(背中)
② 体の下部(お腹)
③ しっぽ
④ 頭
⑤ 耳
皮膚が見えるようにドライヤーをあて、ドライヤーの風があたっている部分に優しくブラシを入れながら乾かしていきます。
背中・お腹・しっぽは強風で、顔は弱風、耳は状況に応じて強風・弱風を使い分けて乾かします。顔を乾かすときは、ドライヤーの風が目に当たらないように気をつけましょう。ドライヤーの風で皮膚が露出するため、火傷や擦過傷には十分にご注意ください。
※ここではブローの流れを、「ワンちゃん・ネコちゃんが嫌がりにくい背中から乾かす」としていますが、ワンちゃん・ネコちゃんによってはお腹が冷えるとお腹を下してしまう子もいますので、背中とお腹を乾かす順番が前後しても問題ありません。
まとめ
今回は、シャンプーの際に覚えておきたいポイント・注意点やお手入れ方法についてご紹介いたしました。
シャンプーは、ワンちゃん・ネコちゃんにとって慣れないお手入れです。個体差はあるものの、多少なりともストレスはかかります。少しでも負担を減らしてあげるためにも、すばやくシャンプーを済ませてあげることが重要です。
愛情をもってシャンプーをして、ワンちゃん・ネコちゃんと気持ちよく過ごしてみてはいかがでしょうか。