うさぎは、近年コロナの巣ごもり需要もあり人気が高まっています。鳴き声も静かで、猫のようにアパートやマンションでも飼育しやすいイメージが強いことも大きな要因になっていそうですね。うさぎについて知らない方も多くいらっしゃると思います。
そこで、今回はうさぎとはどんな動物なのか?うさぎを飼育する上で、気になるうさぎのきもちやトイレについてご紹介していきたいと思います。
目次
うさぎとは?
うさぎとは、ウサギ目に属する哺乳類のことをいいます。
私たちが「うさぎ」と称しているのはイエウサギです。イエウサギは、学名をOryctolagus cuniculus domesticus といい、ウサギ目・ウサギ科・アナウサギ属に属しています。野生のアナウサギを家畜化したものをイエウサギと呼んでいます。
うさぎの歴史
うさぎが人にとって身近な存在になったルーツは、食用に野生うさぎを家畜化したことからです。ペットとしての始まりは16世紀ごろのヨーロッパで、狩りに向かう馬車に乗っている貴婦人たちに可愛がられるようになったことからだと言われています。
日本では、第二次世界大戦後までは、うさぎは家畜として飼われることが多かったのでペットとしての歴史はまだまだ日が浅い動物です。ここ最近は、うさぎ専門店も増えており、ペットとしての地位を確立しています。
うさぎの体の特徴
うさぎは、犬や猫とは全く異なる体の特徴を複数持っています。
・うさぎの眼は左右にかなり外向きについています。これにより、視野は大変広く、真後ろ以外はほとんど見えます。光に対する感度がとても高いのが特徴です。
・うさぎの耳は、非常に大きくとても聴力に優れています。
これらの特徴は、外敵からすぐに逃げられるように発達したと考えられています。それ以外にも、逃げやすい体の特徴として骨が軽く身軽な体と筋肉の発達した足も持っています。犬や猫と比べると、骨が折れやすいので、うさぎの扱いには気を付けましょう。
・うさぎの歯は、すべて伸び続けます。物を噛みきる鋭い切歯と食べ物をすり潰す臼歯を持っており、繊維質の多い牧草などが食べやすい歯の構造をしています。
・うさぎの胃は、犬や猫とは異なる構造をしており、基本的に嘔吐することが出来ません。
・うさぎの雌は、成長して2歳~3歳ぐらいになると首のまわりにぷよぷよとついた肉垂が大きくなってきます。
野生うさぎの肉垂は、妊娠・出産の時や越冬する時などエネルギーを多く消費する時のためのエネルギー貯蔵庫として役割を果たしていました。ペットのうさぎでは、必要以上の食事やカロリーを摂取した場合に肉垂が大きくなります。
うさぎの習性
うさぎは、完全草食動物です。犬や猫と違い、カロリー含有量が低い植物を栄養源とするので頻繁に食事をします。そのため、うさぎを飼育する場合、牧草を切らさずいつでも食べられるようにすることが重要です。
うさぎはコロコロしている通常の便と別で、盲腸便と呼ばれる軟らかく粘性のあるブドウの房状の黒色の便をします。うさぎには、この盲腸便を食べる習性があります。盲腸便は、消化管内の微生物により合成されるもので、ビタミンB群やタンパク質などが多く含まれています。うさぎは、この盲腸便を食べることで健康を維持しています。
うさぎは肛門に口をつけてこの盲腸便をそのまま食べてしまうので、盲腸便を実際に見かける機会は少ないのですが、食べきらずに残っていることが目立つ場合は食事内容の見直しや健康状態の変化に十分注意をしてあげましょう。
うさぎの性格
草食動物であるうさぎは、野生では肉食動物に狙われてしまう立場にあるため、おとなしく臆病な動物だといわれています。しかし、お世話をしていくうちに、なついてくれるようになり、感情表現も豊かになります。好奇心旺盛で何にでも興味を示します。記憶力が良く、飼い主の行動を先回りして意思表示するようになります。うさぎの性格にも個体差があり、撫でられることは大好きな子が多く、抱っこされるのは苦手な子が多い傾向にあります。
うさぎを飼育する前に知っておきたいこと
うさぎを飼育するときの注意点
うさぎは、急激な環境の変化に弱い動物なので、お迎えをするうさぎのケージは出来るだけお迎え前の状態に近づけてあげましょう。お店の人に事前に床材やトイレ、食器、給水機など何を使っていたかを聞いて用意しておきましょう。
うさぎは、寒さには比較的強いですが、暑さにはとても弱い動物です。19~21℃が理想的な室温です。ただし、生後5ヶ月未満または病気療養中のうさぎについては、寒さや寒暖差に耐性がないので、22~27℃で飼育するのが良いでしょう。ケージに温湿度計をつけておくと環境変化が分かりやすいのでおすすめです。
うさぎの診療を行っていない動物病院も多いので、事前にご自宅の近くでうさぎの診療を行っている病院を調べておきましょう。休診日に何かあった際に連れていく病院や、うさぎの夜間の救急対応ができる病院についても調べておくと安心です。
うさぎの食事について
うさぎは完全草食動物です。牧草を食べないと、噛み合わせに異常が出る「不正咬合」に繋がります。遺伝が関与している場合もありますが、ケージなど硬いものをかじってしまったり、柔らかい食事を与え続けることで正しく歯が削れなかった場合にも生じます。
うさぎの牧草でよく見かけるのは、アルファルファ(マメ科の牧草)とチモシー(イネ科の牧草)です。アルファルファは、タンパク質やカルシウムが豊富なので、エネルギーが必要な成長期のうさぎや妊娠期のうさぎにおすすめです。しかし、成うさぎには高カロリーで、カルシウムが多すぎるので主食として与えると、肥満や結石のリスクを高めます。
チモシーは、繊維質が豊富でカロリーが低く、成うさぎの主食として最もおすすめです。
うさぎの食の好みは生後4ヶ月までに決まるといわれています。将来のため、生後4ヶ月までにアルファルファだけでなくチモシーもある程度食べさせておきましょう。
うさぎのペレットは、少量で一日に必要な栄養素やミネラル、ビタミンがバランスよく摂れるように作られた総合栄養食です。しかし、うさぎにとっての主食は牧草であり、ペレットはあくまでも牧草を補うための補助食品です。普段から牧草を中心とした食生活を心がけましょう。
うさぎのトイレについて
野生のアナウサギは、穴の中で生活していて、穴の中、穴の外、それぞれに決まった場所でトイレをするという習性があります。
ペットとして飼われているイエウサギもこの習性を持ち合わせています。
うさぎの習性を活かして、うさぎがある程度まとめて尿や便をしているところにうさぎのトイレを設置することをおすすめします。
トイレの位置を変更する場合は、尿や便の臭いが付いたものをトイレの中に入れ、トイレ以外の場所には便や尿の匂いが残らないよう消臭スプレーなどを使ってしっかり掃除しましょう。これによって、尿や便の臭いが残っている場所に排泄することが多くなります。
トイレの床材としてよく使われるのは、トイレ砂とトイレシートです。
トイレシートを使う場合は、はみ出していると、かじってしまい誤飲の危険性があります。トイレの形状にシーツを折るなど、かじられないような工夫をして使用するようにしましょう。
うさぎのきもちを知るには?
うさぎのしぐさからきもちを読みとる
うさぎの見せるさまざまなしぐさを見ていくと、うさぎの表情を読み解くヒントが隠れています。まずは、耳と姿勢からきもちを読み取ってみましょう。
・平常心のとき 耳はやや後方に傾き座ったり寝そべったりしています。
・警戒・興味があるとき 耳をまっすぐ上に立てて、立ち上がります。
・好奇心があるとき 耳を前方に向けて体は前のめりになります。
・リラックスしているときや眠いとき 耳がぺたんと背中についています。
うさぎは、嬉しい時に、いきなり走り出して体をひねりながらジャンプをしたり、「プゥプゥ」と鼻を鳴らしたりします。必ず鳴き声を出すわけではなく、ほとんど鳴かないうさぎもいます。
うさぎが怒っている時や身の危険を感じた時にはスタンピング(足ダン)と呼ばれる後肢を床でダンダン慣らす行動を取ったり、「ブーブー」と小さく短い音を出して威嚇行動を取ったりします。うさぎを抱っこした直後などに後肢を大きく蹴り上げるようなしぐさをしたことはありませんか?これも嫌だったときに体を使って表すしぐさのひとつです。
眠りでリラックス度をチェック
うさぎが飼い主を信頼してリラックスできているかは眠りでチェックしてみましょう。
ゴロンと横になって寝ている、寝ている時に物音がしても無反応な場合は、かなりリラックスできています。
寝ている時に物音や声をかけた時に、すぐ逃げてしまう場合は、まだ警戒心があるかもしれません。うさぎの性格も個体差があり、中には臆病な子もいるので、その場合はなついても、あまり変化がないかもしれません。
まとめ
うさぎは、犬や猫とは全く異なる特徴を持った動物です。うさぎを飼育したい人は、うさぎの特徴や習性を知り、うさぎが快適に生活できるような環境を整えましょう。
うさぎを飼育している人は、もっと仲良くなるためにうさぎのしぐさをじっくり見てみましょう。そこには、うさぎの気持ちが隠れていますよ。